若竹 七海
海神(ネプチューン)の晩餐

初めて読んだ作家。


プロローグは1912年4月 タイタニックの沈没

本編は1932年 豪華客船『氷川丸』船上

エピローグは1941年 太平洋戦争開戦直前


時代背景は暗く重い。

だけど 華やかな一等船室での 

上流社会の人たちの 10日間。


言ってしまえばそんな話なのだけど、

その暗く重い時代背景が、巧みに 主人公に絡み

道楽青年 もとさん こと 本山高一郎が 成長していく10日間にも思える。


はい 推理小説です。

推理小説の結末を 一等客室のみんなで 推理したりもしています。

もちろん 舞台の上での ミステリーもある。

でも 「推理」では ない部分の方が ちえりんにとっては 

よかったと 思う。

解説で服部まゆみさんが「感動した 感激した」と書いている。

ちえりんにとって 感動=涙という感じなので 

「感動した!」と 言い切れるというわけではないのだけど、

でも あぁ いい話だった!! と 思える 小説でした。

あえて 推理小説とは 書きません・・・・・。


本編での最後の部分が 実に「青春」のようにさわやかでした。


エピローグで あぁ やっぱりそうなるのか・・・・と いう部分で

時代背景を 改めて考えることになります。


「国を選ぶの。それとも友を選ぶの」

そんなことば きっと 現代小説では 決してありえません。


豪華客船『氷川丸』の描写では 映画『タイタニック』が思い浮かびました。


こちらはタイタニック↓

20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
タイタニック

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